7/18/2013

The Power of City2*Vol.6 華道の神髄☆

$極楽手帳~写真家&タロット鑑定士EMYのブログ

~6アベニューの花の卸屋さん~

三鈴さんが案内してくれた大きな卸屋さんは並んで2店舗あった。

『三鈴さん!お忙しい合間に来てくださっていますよね。
後はじっくり花を選んでいますので、私の事は気になさらず用事を済ませて下さい。』


『そう・・じゃあ~後でまたギャラリーでお会いしましょう!
このお店を出てツーブロッグ下がったストリートを右にまっすぐ行くとギャラリーだから・・』


そう言い残して三鈴さんと一旦、別れた。

店内は広く、良く目にする花から珍しいものまでありとあらゆるものが置かれていた。

展示されている2種類の掛け軸に合わせて水盤と竹筒に華を生ける予定だ。

ここに来るまで全く頭の中にどんな花を生けるのか予想も出来なかった。

NYにどんな花が置いてあるのか、未知の世界だったからである。

しかし、驚いた事に日本でも馴染みが深い花々が売っていて

全く日本で考えるものと同じものが出来そうだった。

店を経営している家族はプエルトリコ人だろうか?

ヒスパニック系の男性が数人、花束を作ったり、整理していたり、

忙しそうに動き回っている。

そしていきなり訪れた東洋人の事など全く気にしていないようだった。

ここはNYで思いっきり冒険的な事をしてやろう・・なんて

考えて見たものの、最終的に選んだものは

『ネコヤナギ』『菊』『シャクヤク』

など思いっきり日本的なものだった・笑。

両手に抱えてレジの方へ行くとクセのある英語で

『枝はみんな揃えた方が良いの?』

と聴かれたので

『そのまま下さい』

と答えた。

厚手の大きい茶色い紙に一つに束ねられ、デカいホッチキスで無造作に止められた。

その大胆な束ね方のせいか、シャクヤクの華がポロっと落ちた。

すると後にいたヒスパニックのおじさんが、

��束くらいのシャクヤクを掴んで

『これ、あげるから持って行きな!』

と言う感じで茶色い紙袋の中にシャクヤクを押し込んだ。

数をもらうよりも本当は丁寧に扱って欲しかったのだが・・笑。

大きな茶色い巻紙の花束を抱えてストリートを歩いている時、

一瞬、観光客である事を忘れる・・何だかこの街に住んでいる気分に陥った。

そんな気分と裏腹に花は暑さに弱いので、歩いている最中に

花が痛まないかとそれも気になりながら小走りにギャラリーへ向かった。

ギャラリーへ入ると昨日から展覧会が始まっているので

真白の壁には鯉の作品が既に飾られていた。

色がビビットなので、白い壁に良く映えていた。

事務所のテーブルにニコラスさんが、PCとにらめっこしている。

並べられた作品を見たい気持ちよりも一刻も早く花を生ける事で

頭の中がいっぱいだった。

『Hellow!nice to meet you, again!』

とニコラスさんに声をかけるとPCから顔をあげ

満面の笑みを浮かべながら席を立った。

『花を飾るって言ってたよね!
台はこんな感じで良いのかな?』


とニコラスさんの言葉にふと掛け軸を見てみると

とても高い白い台が置いてあった。

『ちょっと高過ぎますけれど、とりあえず生けてみてから
調整しますね!』


と返事をして、そそくさと買って来た花を地面に広げて生ける準備をした。

『華道』は生きた花を手に取り、

ハサミを入れ、剣山にさして行く・・

それは2次元の中に3次元の空間を作っていく神聖なセレモニーである。

アニミズム信仰で自然の植物・精霊たちを

家の中に招き入れ、常に神の存在と共に生活をする事が

華道の発祥と聞いた事があるけれど、

確かに生きた花を手に取ってその生命力を頂いている感じがしている。

そして花から発せられる瑞々しい生命力を頂く事によって

同時に元気も頂いている。

~植物に声をかけると元気に育つ~

と言う話も良く聞くけれど、

実は『声をかける』事が大事なのではなくて『触る』事が重要らしい。

声に出さなくても植物は撫でてあげると元気に育つ事を知った時、

��どうやらネガティブな言葉を発しながら撫でても元気に育つらしい・笑)

実際に手に取り、植物と向き合いながら生ける『華道』

植物の精霊と触れ合う素晴らしい日本文化の一つだと思う。

目の前に用意した花を並べると、既に頭の中には仕上がりの形が出来ている。

もっと詳しく言うと、花を買いながら仕上がりは既に想定されていたのかもしれない。

なので完成まで時間はあまりかからなかった。

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生けている間は集中しているので周りの状況が全く見えていなかったけれど、

気がつけば後でニコラスさんが興味深く、生けている様子を見ていたようだった。

『凄いね・・emy ! 何だか一つのセレモニーを
見ているようだったよ・・素晴らしい!本当に素晴らしい!』


そんなニコラスさんの言葉は女性に自信を持たせる

マジックワードのように思えた。

三鈴さんはきっと毎日、こんな言葉をかけてもらっているのかもしれない・笑


next tomorrow・・桃の花

6 件のコメント :

  1. ☆てふてふ☆2013年7月18日 14:29

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    華道ってアミニズムに通じてるんですね~。
    一体になる感じが素敵です。
    私は華道は全然詳しくないですけど、emyさんのお花には何だか「ドンッ!」とした芯のような物を感じます。
    emyさんみたい☆

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  2. カンペール2013年7月18日 15:56

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    じぇじぇっ!植物ちゃん、ネガティブな言葉をかけながらナデナデしても育つとは(゚д゚lll)
    なんだか身も蓋もない話ですね(苦笑)
    もちろん実験しませんが(笑)やさしい言葉かけながらナデナデしたいと思いま~す。
    ��●^^●)

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    日本的なものが、NYでは冒険的なのかもしれませんね
    (≧∇≦)
    華道についてのお話、「神様ノート」にメモします!
    うっとり生唾ものでした
    ( ̄∀ ̄)

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    ��☆てふてふ☆さん
    やはり花に生けている人の性格も移るんですかね・笑(;^ω^A

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    ��カンペールさん
    私も植物学者さんの話を聞いて目からウロコが落ちまくりました・笑(^▽^;)

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  6. SECRET: 0
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    ��咲楽さん
    『神様ノート』って何が書かれているのか興味津々です・笑(*^▽^*)

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