11/17/2014

ゴール・フォートの大和撫子 Vol.5 語りかける肉体・・☆

〜テラピールーム*バスルームの窓〜
『こんな感じでスケジュールを組んでみました!』

雅子さんは、前日必死で考えてくれた施術内容の

説明をしてくれた。

『こうやって組んでみると解るんですけど、
やはり10日は短いですね・・。
何処までやれるのか・・って感じになるかな〜・・
やはり最低でも3週間は欲しい所ですね・・』

時間に余裕があれば1ヶ月は滞在したい所だけれど

現実的に無理な話。

施術が始まれば、その事に集中して

ちょっとしたお散歩は出来たとしても

いわゆる観光とかを楽しめる事は全く出来ない。

オイルの効果を高めるためにも、

読書をしたり、パソコンをいじるのも

なるべく避けなければならない。

よーするに、頭を使わずぼ〜〜っと静かに過ごす。

これ、一番苦手な分野かもしれない。

元々、良く動き回る人間にとって

何もしないでいる事は、ある種拷問に近い。

そんなemyの性格を雅子さんは良く知っているので、

決して『何もしない事』を強制しなかった。

よーするに、

『何もしない事』がストレスにならないよう、

考えてくれているのだ。

でも、何時も真剣にテラピーに向き合う

彼女の期待を裏切りたくない。

出来るだけemy自身も何時もと違って

頭の中を空っぽにするよう意識を傾けた。

こんな時にしかこんな状態になれないし・・。 

それに2年前、滞在したアフンガッラに比べ、

ゴールは一足外に出ると素敵なカフェやビーチが

目の前に広がる。

ちょっとしたお散歩も十分に楽しめる街。

雅子さんもその辺りは安心していて

『きっと前回とは違って退屈しないと思いますよ!』

と言ってくれた。

〜アーユル・ヴェーダ施術台〜
そして何よりも今回はちゃんとテラピールームがある・笑。

2年前は電気もまだ通っていない未完成のテラピールームで

雅子さんは蚊に刺されながら、痩せ細った身体で

必死にテラピーをしてくれた。

何時止まるか解らない貴重な水を

施術後のハーバルバスの為に置いてくれて、

雅子さんは何日もお風呂に入られない事もあった。

日本では考えられない状態・・。

サマンさんも家出をして、電気・水道も止まってしまい、

それこそ来たばかりの異国の地で

想像以上に不安な気持ちもあっただろうに

時間と気力がある限り、emyの身体の事を考えてくれた。

今となっては笑いながら話せる思い出となっているが、

あの時の悲惨さは今でも鮮明に残っている。

そんな感じだったので今回のテラピールームは天国に見えた・笑。

其処にも雅子さんの拘りがちりばめられていた。

備え付けの家具の高さ、大きな鏡、シャワーにバスタブ・・

基調となっている白は清潔感を感じるのはもちろん、

テラピーを受け、アーマ(毒素)を排出し、

真っ白な無垢の自分へ回帰するイメージが頭に浮かぶ。

そしてその白い壁からどんな『自分色』を塗って行くのだろうか?

今まで『白』に対して未知の可能性を

感じた事は無いかもしれない・・。  

 そして何よりもありがたいのは

何時でも出て来るお湯と水!

『命の水』の言葉通り、

人の命にとって『水』は本当に貴重なんだと再確認する。

〜emyの鯉額も飾ってくれている〜
 そして施術台の横の壁には

渡航祝いにプレゼントをした鯉額が飾られていて、

その前に置かれた白い椅子のクッションも

まるで魚の鱗型に見えた。

これが彼女の理想としていたテラピールーム・・

何だかこちらまで胸が高まってくる。

朝早くから朝食の準備をし、

その後、休む暇も無くテラピーの準備に取りかかっていた。

大きなステンレス鍋の中に大量のハーブを煮込んでいる。

それは施術後のハーバルバスに使うものだ。

そしてその間、洗礼を待つ信者のように

静かな気持ちでその時を待つ。

テラピー1日目は、ハードな内容ではなく、

旅の疲れを取り、トータルバランスを考えた

『アビアンガム』からスタートした。

『アビアンガム』は最も大切なベース・トリートメントで

優しくツボをおさえながら、全身の骨格や内蔵を

本来あるべき位置へ整えて行く。

最初のヘッドマッサージは

椅子に座ってハーブオイルをゆっくりと

頭の頂点にたらして行き、

それを押さえながら頭全体のマッサージに入る。

その時点から雅子さんのサイキックな言葉が出てきた。

静かな口調で彼女は語り始める・・

『emyさん、頭の中もそうですけれど、
今回はかなり胸の中が詰まっていますね・・。
言いたい事言ってないでしょ?
我慢し過ぎですよ』

頭を触っているのに胸の辺りの事を言われて

驚いてしまった。

そしてそんな言葉が次から次へと続く・・。

あまりに不思議に思ったので

施術台に横たわりながら思わず彼女に質問をした。

『何時も不思議に思っていたんだけど、
なんでそんな事が解るの?』

『こうやって身体を触っていると
 身体が私に語りかけてくるんですよ!
魂と肉体は別なんでしょうね・・。
肉体は肉体の意思を持っていて、
こんな風に言ってくるんですよ!
(もぉ〜この人に無理し過ぎって言ってあげて!)』

驚きの言葉だった。

雅子さんは肉体とコミュニケーションを取りながら

施術を行っていた。

魂とは別に肉体は肉体で色んな事をレコード(記憶)している。

『だから時間をかけてゆっくりと整えて行くんです。
いきなり芯の部分を取除いてしまうと身体はついて
いけませんからね・・。
芯を取除く事だけが解決では無いのです』

今まで数年間、彼女に身体を整えて来てもらっているけど、

『肉体の意思』については初めて知った。

to be next・・   


     

  

   







  

   

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