5/02/2013

マドンナ・ブルーの微笑み Vol.3 陽気なお葬式・・☆

$極楽手帳~写真家&タロット鑑定士EMYのブログ

~ナポリ湾が一望出来る『ポジリポの丘』~

南イタリア6日間と言っても4日間の滞在で4~5カ所周遊すると言う

弾丸ツアーだ。

午後一にナポリの空港に到着するやいなや

専用バスへ乗り込み、市内を周遊しながらアルベロベッロと言う都市へ移動する。

初めてのナポリ・・

ナポリ湾を一望出来る『ポジリポの丘』に到着した時は

生憎の曇り空で快晴だと遠くに見えるベスビオ山がかすんで見えない・・。

少し残念だったけれど、

狭い石畳に赤煉瓦の家が立ち並ぶ代表的なイタリア様式を目にした時、

北イタリアに住む友人、バーバラの事を思い出していた。

ロンドンに住んでいた頃、通っていた英語学校で

一番の親友となったのがトリノから来たバーバラだった。

同じクラスだった事もあるけれど、何故あそこまで意気投合して

仲良くなったのかは覚えていない。

彼女は数ヶ月しかロンドンに居なかったけれど、

お互いのアパートを行き来して食事を作って食べて飲んで・・

まだお互い発展途上の英語で一生懸命コミュニケーションをとっていた。

バーバラがトリノに帰る時、

『絶対にトリノに遊びに来てね!!』

と念を押され、彼女が帰った後も何度かトリノへ遊びに行った。

ヨーロッパ内の航空券は安く手に入れる事が出来る。

なので貧乏学生生活のemyでも気軽にトリノへ遊びに行けた。

トリノはフィアットなど車を生産する工業都市。

フランスの国境に近い事もあってイタリアの中でも

フランス料理に近い食文化だった。

グリッシーニと言う細長いパンもトリノが発祥らしい。

トリノへ行ってバーバラに会うのも当然嬉しい事だけれど、

一番の楽しみはバーバラのママが作るイタリア料理・・。

どれもシンプルだけど絶品の美味しさで、

『ボーノ!(おいしい)ボーノ!』

と連発しながら色々食べさせてもらった。

ママは全く英語が喋られないのでバーバラに通訳を頼み、

イタリアン・レシピも色々教えてもらった。

料理好きのemyは色んなレシピを持っているけれど、

特にイタリアン・レシピはバーバラのママ伝授。

今だにあの頃、教えてもらったレシピは作り続けている。

リアルなイタリアの家庭料理だ。

イギリスから日本に帰国してからも

バーバラとは手紙のやり取りでお互いの近況を教え合っていた。

��その頃、PCメールなど無い時代・・笑)

年月を重ねるにつれ、バーバラの英語もかなり怪しくなって来て

イタリア語が混じった手紙へと変わっていった。

日本に帰国して3年程経った頃、

ロンドン経由でトリノに行く旅行を計画した。

まずはロンドンに行って何時もタッグを組んでいた

ヘアメイク・Leeとモデル撮影をして、ポートフォリオ作りの日々・・。

とりあえず、トリノへ向かう日にちはロンドンに着いてから

決めようと思っていたので

合間に電話をかけてバーバラの都合を聞く予定だった。

『プロント!(もしもし)』

��あ!バーバラのママだ・・)

『ボンジョルノ!ママ!This is emy!』

ママはあたふたしながらバーバラに変わってくれた。

��ママは何時も電話であたふたしている・笑)

『バーバラ!久しぶり!元気??』

するとバーバラから信じられない言葉が帰って来た。

『emy・・実は急なアクシデントがあって・・
昨日、パパが亡くなったのよ・・』


『え・・!!ええ!!びっくり

一瞬、言葉を失った。あまりにも予想外の出来事だった。

『バーバラ・・それはとても残念なお知らせだわ。
大変な時に電話をかけてしまってごめんなさいね・・。
トリノへ行こうと思って電話したんだけど止めとくわ・・。
色々と大変だと思うけれど、頑張ってね・・』


するとバーバラはあっさりとした感じで

『いいえ・・トリノには来て!お願い!
そしてパパのお葬式にも出て欲しいの!』


(お葬式に出る??)

あまりに意外な申し出に躊躇してしまった。

まず第一にemyの方が心の準備が出来ていない・・・

いきなりイタリアのお葬式??どんな様式なの??全然解らない!!

��頭の中に映画『ゴッド・ファーザー』が駆け巡る・笑)

『ねーねーバーバラ!私、行っていいの??
ふさわしい洋服とか持ってないよ?!』


『気にしないで!そのままの服装で良いから!
兎に角、あなたに会いたいし、来て欲しいのよ!
ママも会いたがっているし・・』


日本では考えられない感覚だけれど、急遽、パパのお葬式に

参列する流れとなった十字架

教会で行われたお葬式は想像していたものとは全く違っていた。

親戚や友人・知人が参列しているのだけれど、

泣いている人は誰も居らず、ただ淡々と式が進行している。

賛美歌を歌い、祈りを捧げ、神父様のお言葉・・

一応、黒っぽい服を持っていたので着ていったけれど、

普段着で参列している人もいた。

約30分分くらいであっと言う間にお葬式が終わり、

近くのレストランへ移動する感じだった。

さすがにemyは行かない方が良いと思っていたのだけれど、

バーバラを含め、みんなに『来て!来て!』と呼ばれてしまう。

何だか訳が解らずついて行くと、普通のイタリアンレストランへ到着した。

そして店内ではパスタやピザなど普通と変わらない家庭料理が

並んでいる。

そしてワインを飲みながら大宴会が始まった。

イタリア語は全く解らないのでみんなが何を話しているか

理解出来ないのだが、神妙な面持ちどころか陽気に笑いながら

喋りまくっている。

大人から子供たちまで皆笑顔・・

こんな陽気なお葬式は経験した事が無い。

��この後も経験していない・笑)

するとバーバラがやって来たので思わず聞いた。

『ねーねー・・皆、笑っているけれど、
大丈夫なの?』


『emy・・心配しないで!パパは天国に行って今頃、
大好きなカンツォーネ聞きながらワインを飲んでいるわよ!
ただ此処に居ないだけで、パパの魂は何時も一緒よ!』


その言葉を聞いた時、厳粛なカトリックのイタリアならではの

考え方なのかと思った。

他のイタリア人のお葬式に参列した事が無いので一概には言えないが・・

お酒が程よくまわった頃、何げに『漢字』をテーブルのナフキンに書くと

全員が集まって来て、羨望の眼差しでナフキンの漢字を見ていた。

『凄い!凄い!もっと色々書いて!!』

とリクエストされたので

日本は『ひらがな』『カタカナ』『漢字』の三種類の文字を持っている・・

と説明すると凄くビックリされて

その3種類の文字を書いてくれ!とせがまれた・笑。

そして一文字一文字書く度にえらく感動された。

結局、その日は夜中まで続く大宴会となってしまい、

バーバラもママも憔悴している様子もなく、アパートへ戻って行った。

あの陽気なお葬式に参列して数十年・・

emyも何度か引っ越しを繰り返している内に

バーバラとすれ違ってしまい連絡先が解らなくなってしまった。

でも、何時かバーバラに会えるんじゃないか?・・て

今でも思っている。

バーバラも『マドンナ・ブルー』が良く似合う女性だった。


to be next・・イタリアの国旗

4 件のコメント :

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    イタリア人の友人、私もいましたが、バーバラっぽかったなーと思い出してます。イタリア人は本当に楽しいんですよねーストレートだし。私も以前ローマに行った時、妖怪アンテナはかけらすら持ってないのに「ここ、前来た!」と突然感じた事があります。
    もしかしたら、過去にイタリアですれ違っていたかも?ですね。
    私も早くイタリア行きたいです。
    そしてemyさんがバーバラさんと再び会える事を祈っております!

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  2. SECRET: 0
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    いつかきっとEMYに会えるって
    !(b^ー°)
    「天国にいる」「魂はいっしょ」と、亡くなった時思えるのは、同じ密度で生きていたからこそかもしれませんね
    その想いを持てることが幸せなように思いました

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    ��ゆきねーinきょうとさん
    ホント、前世でゆきねーさんとお会いしていたかもしれませんね・笑☆
    イタリア人は食べる事と喋る事・ユーモアが大好きなので関西人と通じるものがあります・笑(-^□^-)

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  4. SECRET: 0
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    ��咲楽さん
    バーバラも私に会いたいと思ってくれていると本当に嬉しいですね(*^▽^*)

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