マドンナ・ブルーの微笑み Vol.4 とんがり屋根の『トゥルリ』☆

～アルベロベッロの夜～

ぐるっとナポリの歴史地区を周遊した後、325キロも離れたアルベロベッロヘ向かった。

到着した時刻は夜の20時過ぎ・・

天候も曇りから雨へと変わってしまった。

サンサンとした太陽の光が注ぐ南イタリアのイメージに

雨は似合わない。

��日間の内、アルベロベッロだけ生憎の天候となってしまった。

この街は15世紀頃、農民が移住をしてきて

『トゥルリ』と言うとんがり屋根の

ユニークな家が立ち並んでいる世界遺産都市。

到着が夜だったので街の風景が良く見えなかったけれど、

次の朝、雨の中散策をスタートさせた。

滞在していたホテルから15分ぐらい歩くと

いきなり目の前に『トゥルリ』

が立ち並ぶ不思議な街が広がって来た。

石灰岩を円錐形に積んだだけのとんがり屋根は

雨が少なく乾燥が多い南イタリアで効率よく雨水を溜められるよう

工夫がされている。

まずは高台に登って遠方から街全体を望むと

まるで童話に出てくるような可愛らしい景色だ。

とんがり屋根には何か文様が描かれているものもあった。

見渡す限り、童話の世界・・

雨で滑りやすくなっている石畳に気をつけながら

ゆっくりと坂の上を歩いていく。

坂の途中で、雨に濡れて寒そうにしているネコに出会った。

以前、ブログにも書いた事があるけれど、

バーバラとの思い出がまた頭の中を駆け巡る・・

それはトリノのある公園で喋っていた時、

私たちの目の前にネコが歩いて来た。

『ねぇ？バーバラ！イタリアでネコの鳴き声は
何て言うの？』

『ミャゴラーレよ！』

『ミャ？？ミャゴラーレ！笑』

あまりにイタリアンな鳴き方に思わず吹き出してしまった。

『そんなにおかしい？？じゃ～日本ではなんて鳴くの？』

『ニャアニャア・・って感じ』

『何それ！！笑・そっちがおかしい！！』

あまりに異国語の違いにお互い笑ってしまった。

そして寒そうにうずくまっているネコに向かって

『ニャア！』

と日本風に言ってみた。

ネコは全く微動だにしなかった。

そして次はバーバラに教わったように

『ミャゴラーレ！』

と言ってみるとネコはこちらを振り向いた。

やはりイタリアのネコは『ミャゴラーレ』なのだ・笑

ちなみに犬の鳴き声は『アッバヤーレ』と

聞いていたけれど、不思議と南イタリアを周遊中、

犬に会う事は皆無に等しかった。

約２時間程、街を散策してホテルに戻る途中、

『トゥルリ』の原型となった最古の家を目にした。

畑の中に佇むその家はまるで『指輪物語』に出て来る

フォビット族のお家のように感じた。

慌ててバスに乗り込み次のマテーラへ向かう・・。

マテーラへ向かう途中には雨も止み、

本来の南イタリアらしい太陽の光が差し込んでくる。

目まぐるしいスケジュールのおかげか、時差ボケは全く感じない。

next tomorrow・・