パリ、ラストナイトは5人シェアしていた同居人たちの中で
emyを含めた3人が帰国or他国へ移動だった。
そこで恒例の送迎会をする事になった。
フランス人の客人の時はマダムが和食を、
日本人が客人の時はムッシュがフランス料理を披露してくれる。
そして今回はスペインへ旅立つパティシエちゃんが、
デザートを担当してくれた。
彼女はデザートだけでなく人参の葉が入ったパンも焼いてくれた。
朝からムッシュは蝶ネクタイを付け、オーブンで魚料理を作っている。
パティシエちゃんも手際良くケーキを作っていた。
パリの猛暑は結局、最終日まで続いていて
滑らかなクリームが溶けて行く中、
時間と戦いながらケーキ作りを奮闘していた。
そして夕方、準備が整うと同居人たちが
リビングへと集合する。
今回は前菜からメインまで全て魚介類のコースだった。
貝が入った有田焼を見た時、
その器は亡きたまこの水入れとして使っていたものと
全く一緒だった。
何だかたまこに
(お疲れさん!)
と言われているような感じになり
思わず目頭が熱くなった。
たまこが死んで半年以上経つけれど、
こんな時、ペットロスから立ち上がっていない事に
気付いてしまう。
『愛』とは本当にやっかいなもので、
人間の感情の根源に潜みながら
時に自分を苦しめ、相手を苦しめ、
切なく、悲しみを与えれると思いきや
時に恍惚にさせ、楽しみや幸福を与え、
人間の成長に繋がったりもする。
そんな複雑怪奇な『愛の模様』を歌った曲が、
セルジュ・ゲンズブールが作詞・作曲をした
『ジュテーム・モワ・ノン・プリュ』
である。
当時、有名女優と不倫関係にあったゲンズブールが
彼女に送った曲だった。
この
〜ジュテーム・モワ・ノン・プリュ〜
を直訳すると
〜愛してる。でも愛していない。〜
と言うような不倫相手を挑発するような内容と
なっている。
しかし、このニュアンスを違った角度で考えると
その反発する言葉は逆に相手以上に
愛を持っているあまのじゃく的な要因があるのかもしれない。
官能的なメロディーから推測すると
とても愛していないようには思えない。
そしてこんな曲を送られた相手は
秘められた自分への思いを歌詞にしてくれたと
恍惚になった事だろう。
それ以上に人間は『否定』されると躍起になって
心の中にメラメラと熱い思いをあぶり出されてしまうものだ。
この曲は60年代終わり頃に発表されたもので、
それに続く70年代、80年代のヒット曲は
美しいメロディーの中に残酷な歌詞が隠された曲が
流行っていたように思う。
ただメロディーが美しかったので流行っただけなのかも
しれないけれど、
例えその中に組み込まれている歌詞が残酷であったとしても
美しさに勝ものは無い。
美しさもまた普遍的な『愛』である。
個々が感じる『美しい』と思う物は
絶対的な『愛』を感じているはずだ。
『愛』を表現する事、伝える事は非常に難しい。
そして『これ』と言った解決策を見いだす事も出来ない。
ただ、自分がやりたい事は
〜美しい物〜
を作り続けたいと思っている。
自分で感じる『美しい物』がどれだけの人に伝える事が出来るか
解らないけれど、
少なくとも『美しい物』を作ろうと思っている自分の心の中には
『愛』が存在している。
JAPAN EXPO で壁にかけられた『KOI着物』を見ている時の
人々の顔は本当に幸せそうだった。
『美しい!』
と声も沢山かけられた。
その言霊も『愛』に変換され、心の中にしみ込んで行く。
そして更に、作品を作りたいクリエイティブ魂に
火が付いて行く。
帰りのトランジット・ヘルシンキ空港で
飛行機の遅れにより1時間30分も待たされた。
急に時間が出来たので空港内をぷらぷらと歩いていると
素敵な和食の店が出来ていた。
酒樽が壁一面に並べられていて、
店内は黒を基調としたシックな作りだった。
前にも比べてやはり『日本』の衣食住は
世界に広がりつつある事を改めて思った。
そして面白い事に歴史的な流れを見ても
世界情勢が不安定な時期になるほど、
『日本文化』は世界を駆け巡る・・。
何故だろう??
ただの偶然だろうか?
いや・・
きっと日本には身近過ぎて気付かれていない
様々な美しい物が溢れているに違いない。
それは言葉を変えれば『愛』に溢れたものが
沢山あるのだ。
海外へ行く度に愛国心が強くなる事は言うまでも無い。
〜The End〜
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