〜淡路島・絵島〜 |
育ちが兵庫県のemyにとって『淡路島』は子供の頃から
大変親しみ深い島だ。
夏休みに入ると1週間は民宿や父の会社の保養所に泊まって
朝から思いっきり海で遊ぶ・・。
周りには玉ねぎ畑も多く、軒先には沢山の玉ねぎが吊るされていた。
『古事記』に興味が出て書籍を読みあさるまでは、
小さなあの島が実は『ニッポンの始まり』だったなんて、
思いもしなかったし想像もつかなかった。
だってあまりにも普通で牧歌的な島だからだ。
しかし『古事記』の大事なオープニングを飾るこの島は、
イザナギ・イアザナミが天の橋にたち矛(ほこ)で混沌をかき混ぜて
出来上がった人類創世の聖地でもあり、
矛(ほこ)から滴り落ちて積もった『おのころ島』へ天界から降り立ち、
結婚をして次々に日本を代表する神々を産み落としていった。
キリスト教の聖書で人類創世の『アダムとイブ』でもそうだが、
女性が優位に立ったりすると何故か奈落の底に落ちてしまったり
上手く行かないように描かれている。
『古事記』の中でもお互いの身体の違いを確認した後、
神生みの準備に入る時、女神・イザナミからイザナギを誘ったため、
ちゃんとした子供が生まれなかった。
その子供は『水蛭子(ひるこ)』と呼ばれ、葦舟(あしぶね)に乗せられ、
海に流された。
その『水蛭子(ひるこ)』が到着した西宮の浜には
海を司る神、また七福神の『えびす様』と同神化され、
商売繁盛の神として西宮神社に鎮座されている。
ちなみに西宮の隣は『芦屋市』となるけれど、
個人的な想像では『水蛭子』が乗せられた『葦』から
名付けられているのではないかと思っている。
先日発売された『神社の基礎知識』で、淡路島の写真を
ピックアップしている時、久しぶりに毎回訪れる
『伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)』
と其の周辺の神社へ周りたくなった。
そして今月の高松出張に合わせて色々と参拝をして来た。
『古事記』の順番から行くと最初は『おのころ島神社』の
参拝になるのだが、神戸から明石海峡大橋を渡って最初に着く街、
『岩屋』からイザナギ・イザナミのゆかりの地を回って行く。
『岩屋』には神話の息吹を感じる凄い神社が鎮座される。
しかもその神社はひっそりと一目が付かないような場所にあるので、
知らない人はきっと素通りしてしまうであろう。
何故なら岩屋港の直ぐ側に奉られている
『岩屋恵美須神社』の本殿の後に その聖地があるからだ。
〜岩屋恵美須神社〜 |
表から見ると普通の庶民的な恵美須神社。
しかし赤い本殿の裏へ回ると実はもう一つの神社が鎮座される。
それが『岩樟(いわくす)神社』だ。
emy自身、ここ数年訪れていなかったけれど、
最初に参拝へ来た時、あまりの原始的な形に驚いた。
当時はまだ、神社の知識もあまり無かったので、
こんな形の奉り方もあるのだと感動したのを覚えている。
〜岩樟神社〜 |
鳥居の向こうに数カ所、穴が空いている大きな磐座があって、
その中にのめり込むように社が建てられている。
〜洞窟の中には祠がある〜 |
その形はまさにイザナミの産道の出口のようで、
その先に『水蛭子』が奉られる恵美須神社があり、
海を超えて本州に行くと葦舟が辿り着いた浜がある・・。
このひっそりとした聖地は地元の人たちに大切に守られて来ているような
感じがする。
何時も奇麗に掃除がされ、お供え物も古いものではない。
そしてこの洞窟はイザナミが隠れている幽宮(かくりのみや)とも呼ばれ
今もなおひっそりと下界の様子を覗かれているよな感じだ。
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