〜本殿の上宮へと続く階段(宇佐神宮)〜 |
雨も降っていた。
昨日までと打って変わっての悪天候・・。
空を見上げると雲も風の流れと共に変形し、
雨以上に強風の猛威にビビってしまった。
夜、19時過ぎにフェリーで神戸へ向かう。
こんな強風の中、出航出来るのか心配になり
思わずフェリー会社へ確認の電話を入れてしまった。
電話の対応をしてくれた女性は全く心配が無いようで、
逆に『なんで?』っと電話をしたこちらの方に
問題があるかのような不信感を持った対応だった。
太平洋と違って瀬戸内の航路はよほどの事が無い限り波が静かなのであろう。
気を取り直して宇佐神宮へ向かった。
神話や古代史を読んでいると
『宇』と言う漢字が使われているものは摩訶不思議な所が多い事に気がついた。
其の名の如く『宇宙的』みたいな・・。
今回、2度目の参拝となる宇佐神宮は前回と違った思い入れがあった。
それは拝殿での作法が出雲大社と同じ、
〜二拝四拍手一拝〜
となり、一般的な二拝二拍手一拝と異なる。
ある文献で知ったのだが、
『四』は死の意味ではなく人・神々が持つ四つの魂・・
『一霊四魂』の和魂・荒魂・奇魂・幸魂を表す。
この様な古代での思想は柏手を4回打って天と地を結び
神々の魂に近づいていたのかもしれない。
また他の仮説では偉大なる王の死後、祀られている神社は
その『死』を表すために4回柏手を打つとも書かれていた。
非常に興味深いのは出雲大社と宇佐神宮が同じ柏手の数であると言う所。
四回、柏手を打つと言う事はかなりの権力者が
この二つの神社には祀られていると言う証しなのか・・
またもや色々と妄想が頭の中を駆け巡るのだが、
その前に改めて宇佐神宮へ行って、頭の妄想と照らし合わせながら
参拝がしたかった。
個人的に感じるのだが、宇佐神宮と伊勢神宮は神域の作りが
似ているように思っている。
五十鈴川の様な寄藻川にこれまた宇治橋のような呉橋がかかっている。
〜呉橋から望む寄藻川(写真は前回に訪れた時のもの)〜 |
『神宮』の名が付く社号の神社は広大な神域を持っていて、
本殿へ辿り着くまでうっそうとした参道の森や禊場を通って行く。
そんな参道の森は神々しい空気が流れていて、
歩くだけでもかなりの森林浴効果があると思う。
市内を出発した時は激しい雨と風が吹き荒れていたけれど、
参道を歩いている時は不思議と雨も風も止んできた。
周りを見回しても誰もいない・・。
〜参道途中の禊場〜 |
中へ入る事が出来ないけれど、側で佇むだけで思いっきり祓われたような
気持ちになった。
禊場から向かって左側を向くと、大きな赤い鳥居があり、
本殿が鎮座される上宮へ続く階段が見えている。
そしてここを登りきる鮮やかな朱の本殿へ辿り着く。
〜宇佐神宮の上宮(この写真も前回撮影したもの)〜 |
宇佐神宮は、全国八幡宮の総本宮だ。
御祭神の八幡大神は天皇家の祖神である応神天皇、
日本の中心と考えられている
伊勢神宮だけではなく、西の果て・・
此処九州ににも天皇の祖神が奉られている。
しかも、本殿で奉られている三柱の神々も不思議な事がある。
通常、その神社で一番メインとなる神は中央を奉られているもので、
宇佐神宮も、
一之御殿・八幡大神 (応神天皇)
二之御殿・比売大神 (ひめのおおかみ)
※ 宗像三女神(多岐津姫命・市杵島姫命・多紀理姫命)
三之御殿・三之御殿:神功皇后 (応神天皇の御母)
と記されている。
しかし実際に一番各の高い一之御殿に鎮座されているのは
神功皇后なのである。
古代、最初の遷宮を取り仕切ったと言われている神功皇后・・。
漢字も『神功』と書いて『じんぐう』と呼ぶ所も興味深い。
宇佐神宮は邪馬台国の卑弥呼とも関係していると言われている神社で
この辺りの説明をし出すとかなり長くなってしまうので、
省略させて頂くけれど、
そんなミステリーの観点から宇佐神宮へ参拝に来ると、
大和朝廷の中心が奈良県であったのに天皇の祖は九州に存在する・・
小さな島国の中で壮大なロマンが頭の中に広がるのだ。
〜卑弥呼ってやっぱり何人かいたのかもしれないな・・〜
改めてそう感じてしまった。
まるで年始にハマっていた邪馬台国のおさらいのような
参拝となり、個人的にもっと九州に眠っている
ミステリースポットへ放浪した気持ちが更に強く沸き上がった。
次回は何時、来られるだろう・・。
そんな事を思いながら七里田温泉へ向かっていると、
朝の天気とは正反対で穏やかな快晴に変わった。
海の方角へ目をやると厚い雲に覆われているのに
山の方はほとんど雲が無かった。
あまりの対極的な風景にゾっとした。
何故、こんなに雲がまっぷたつに割られているような形なんだろう・・。
その原因はフェリーで神戸港へ向かっている時に解った。
夜中の2時6分・・
けたたましい地震速報のアラームで飛び起きた。
船中の携帯が一声に鳴り出したものだから
尋常ではない警告音となっていた。
最初は寝ぼけていて訳が解らず、無意識にテレビを付けると
地震速報の画面が出ていた。
震源地は愛媛県の海上沖でM6.1の大きな揺れだった。
その時、フェリーは岡山県辺りを運行していて、
津波は発生しなかったので船は全く揺れ無かったと思う。
画面の震度が記されている九州地方は、
先ほどまで滞在していた大分県も震度5の強い揺れが観測されていた。
あまりにも意外な震源地と大きな揺れに
九州でお会いしたお客様や友人たちの事が心配になった。
そしてそれと同時に七里田温泉で目にした異様な雲の事も思い出した。
そうだ・・311の時もそうだった。
地震発生の直前、会議室の窓から見えた空模様は
気持ち悪い感じで、真っ黒な雲と真っ白な雲がまっぷたつに別れていた。
その時、一緒にいたお客様と
『何だか気持ち悪い空ね・・』
と言った数分後に地震が発生した。
あの時の恐怖と先ほど見た異様な雲の形がリンクしてしまい
寝られなくなってしまった。
そしてその地震はまるで神々からの警告のようにも思えた。
〜自然との共存が森羅万象の生命を育み豊かな恵みを与えている事と
生かされている感謝の気持ちを忘れるな〜
そのような言葉が降りて来た。
早朝の神戸港へ無事到着した時、この完全なる『3』の放浪も終わりを告げた。
気になる場所へ3回も通うと今まで気付かなかった事が見えて来て
新しい感覚や直感が更なる先の叡智と繋がりやすくなって行く。
『3』と言う数字が完全を意味とした先人の感覚・・。
現代よりもずっと研ぎすまされた感覚に
ただ驚くばかりだった。
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